あさがくるまえに

ネタバレあり。

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映像で魅せるような映画だった。

登場人物たちの会話も少なく、でも表情や仕草や関係性でそれぞれの思いとかをきちんと表現している。

冒頭から交通事故までの映像がとにかく見事なまでに美しい。

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ただ題材が臓器移植のため、後半手術のシーンがたくさんでてくる。個人的にはこれ系の映像は苦手なので、スクリーンをみているのがかなりハードな状況だった。

気持ち悪くなったりしないように適当に目を閉じたりしていた。

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母が移植手術を受けるとき、息子の弟の方が大雨のせいで飛行機が欠航となり車で向かうというシーンがあった。実はあの時、もしかすると車で事故を起こし、弟にも心臓移植が必要となり、同じ年くらいということでシモンの心臓は母にではなく弟へということになるんじゃないかと考えてしまった。まったく違ったけど。

寄り添うシーンが多くて素敵

車のなかで友人の肩に寄り添って眠るシモン。

ベッドのシモンを両脇から挟んで寄り添う両親。

心臓の悪い母を真ん中に寄り添う兄と弟。

かつての恋人のピアニストと寄り添う母。

ガールフレンドに寄り添って眠るシモン。

医師に抱きかかえられて眠る娘。

人間やはり寄り添うことが愛情表現のひとつなんだろうな。

あさがくるまえにの作品情報

監督

カテル・キレベレ

キャスト

タハール・ラヒム、エマニュエル・セニエ、アンヌ・ドルヴァル、ドミニク・ブラン、ギャバン・ヴェルデ、ガラテア・ベリュジ

作品概要

ユニフランス主催のフランス映画祭2017のゲストとして注目を集めた新鋭女性監督カテル・キレベレによるヒューマンドラマ。

夜明け前、シモンは恋人が眠るベッドをそっと抜け出し、友人たちと合流してサーフィンに出かけた。しかし、帰り道で自動車事故に巻き込まれ、脳死と判定される。病院に駆けつけたシモンの両親は医者から臓器移植コーディネーターのトマを紹介されるが、戸惑いを隠せない。一方、パリで暮らす音楽家の女性クレアは重い心臓疾患を抱え、かかりつけの医師から臓器移植の登録をすすめられていた。

おぎやはぎの「地味ですが何か?」を読んだ

ふたりともサラリーマンを経験してるだけあって処世術みたいなのがおもしろい。けどいかにもバブルの頃の話であって今通用するかどうかわからないけど。

この一文、まじでそうだとおもう。

「キミたち、テンションあげなきゃダメだよ」というアドバイスしてきた人に、ろくな人はいなかった

ホメ上手になりたい

おぎやはぎはお互いにほめ合う芸風が広く知られている。第2章の「ホメるが勝ち」に褒めることについての彼らなりの考えやノウハウが詰まっていておもしろい。

彼らの活躍が始まったのはSNSが普及する前で、「いいね」で表現されるような「承認欲求」というものがまだ今ほど意識されていなかった時代だが、これだけ承認欲求が顕在化している今の時代にも十分通じる、ある種普遍的なことが含まれている。

第2章に含まれる見出しを並べるだけでも発見がある。

  • 壁は自ら取っ払う
  • ホメはフォローから始まる
  • 自分より優れていると感じてしまう
  • ホメは気持ち良さの相乗効果を生む
  • 又聞きのホメは効果倍増
  • 初対面のホメは要注意
  • 振れ幅を広げるのも効果的
  • けなしながらホメるのが高等テク
  • 「ノー」が言える人こそがホメに真実味が

あしたからもっとホメていこうと思う。

地味ですが何か?

地味ですが何か?